健康経営銘柄とは|経産省×東証の選定制度・ホワイト500との違い・一覧の確認方法
最終更新:2026-09-11 / Longevity Methods for 戦略的健康経営編集部
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今回の評価:健康経営銘柄は経済産業省と東京証券取引所による公的な選定制度で、制度の枠組み・選定主体といった事実の確度は高いものです。一方、選定年度ごとの社数・選定基準・スケジュールは毎年見直されるため、具体的な数値は必ず経済産業省の最新の公表資料でご確認ください。また「銘柄に選定された企業は業績・株価が高い」という関係は相関の指摘にとどまり、因果は未確立です。
結論(30秒でわかる現在地)
- 健康経営銘柄とは、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定し、健康経営に優れた上場企業を長期的な視点の投資家に紹介する制度です。2015年に開始され、原則として1業種1社という少数精鋭の枠組みが特徴です。
- 混同されやすいホワイト500は「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の上位500法人を指す別制度で、上場・非上場を問いません。銘柄=上場企業向け・投資家向け/優良法人=幅広い法人の顕彰、と役割が分かれています。
- どちらも土台は経済産業省の健康経営度調査です。選定社数・選定基準・申請日程は年度ごとに変わるため、数値は経済産業省の最新の公表資料で確認するのが前提になります。
健康経営銘柄とは(制度の位置づけ)
健康経営銘柄とは、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する、上場企業を対象とした顕彰制度です。2015年に始まり、従業員等の健康管理を経営的な視点で実践している企業を「長期的な視点で企業価値を評価する投資家にとって魅力ある企業」として紹介することを狙いとしています。
大きな特徴は、原則1業種1社という選定の考え方です。認定数が数万法人規模になっている健康経営優良法人とは異なり、銘柄は業種ごとの代表を絞り込む設計になっているため、選定される社数は毎年数十社規模にとどまります。制度開始時の2015年は22社が選定され、近年も数十社規模で推移しています(銘柄2026は44社と公表)。社数は年度ごとに変わるため、最新の数値は経済産業省の公表資料でご確認ください。
健康経営という考え方そのものの定義や、国が用意している「見える化」の仕組み全体は健康経営とは?投資対効果と国の3つの認定制度で整理しています。
健康経営優良法人・ホワイト500との違い
「健康経営銘柄」と「ホワイト500」は名前が並んで語られることが多く、混同されがちです。両者は別の制度であり、対象も選定主体も異なります。
| 比較軸 | 健康経営銘柄 | 健康経営優良法人(ホワイト500) |
|---|---|---|
| 対象 | 上場企業のみ | 上場・非上場を問わない法人(大規模法人部門の上位500法人がホワイト500) |
| 選定・認定の主体 | 経済産業省と東京証券取引所が共同で選定 | 経済産業省が制度を設計し、日本健康会議が認定 |
| 規模感 | 原則1業種1社。選定は数十社規模 | 大規模法人部門・中小規模法人部門を合わせ、認定法人は数万規模 |
| 主な狙い | 長期的な視点の投資家への紹介(資本市場向け) | 取り組みの見える化・幅広い顕彰(採用・取引・地域向けも含む) |
| 土台となる調査 | 健康経営度調査 | 大規模法人部門は健康経営度調査、中小規模法人部門は保険者の健康宣言事業+調査票 |
整理すると、ホワイト500は「健康経営優良法人という認定制度のなかの上位区分」、健康経営銘柄は「上場企業を対象とした別建ての選定制度」です。中小規模法人部門の上位500法人である「ブライト500」も優良法人側の区分で、銘柄とは別物です。優良法人の部門判定・申請手順は健康経営優良法人の取得ロードマップをご覧ください。
なお、上場企業であっても相互会社など会社形態によっては銘柄の対象外になります。自社が対象かどうかは、その年度の選定基準でご確認ください。
選定の枠組みと発表までの流れ
健康経営銘柄の選定は、単独の申請書で決まるものではなく、健康経営優良法人(大規模法人部門)と同じ健康経営度調査を起点に進みます。おおまかな流れは次のとおりです(年度により前後するため、正式日程は必ず公式でご確認ください)。
- 夏ごろ:経済産業省が健康経営度調査を公開し、回答受付が始まる
- 夏〜秋ごろ:企業が健康経営度調査に回答する(回答が銘柄選定・優良法人認定の共通の土台になります)
- 回答締切後:調査回答の評価と、その年度の選定基準にもとづく絞り込みが行われる
- 翌年3月ごろ:健康経営銘柄・健康経営優良法人が発表される
選定にあたっては、健康経営度調査の評価結果に加えて、財務面の要件や、重大な法令違反がないことなどの条件が設けられているとされています。要件の具体的な内容・水準は年度ごとに見直されるため、その年度の選定基準(経済産業省が公表する健康経営銘柄の選定基準)を直接ご確認ください。本サイトでは、変動しうる数値を断定的に記載しない方針をとっています。
企業が準備として見る指標(健康経営度調査)
銘柄を意識する企業がまず向き合うことになるのが、経済産業省の健康経営度調査です。これは大規模法人部門の認定・銘柄選定に共通する基礎データであり、ここに回答していなければ土俵に上がれません。
調査で問われる論点は、おおむね次のような枠組みで整理できます(設問構成・配点は年度で変わります)。
- 経営理念・方針:健康経営の方針の明文化、経営トップの関与、社内外への発信
- 組織体制:推進担当者・責任者の設置、保険者(健康保険組合・協会けんぽ等)との連携
- 制度・施策の実行:健診の受診と事後の受診勧奨、生活習慣(運動・食・禁煙)の取り組み、メンタルヘルス対策、長時間労働への対応など
- 評価・改善:取り組みの効果検証と改善のサイクル、指標の設定と開示
- 法令遵守・リスクマネジメント:定期健診・ストレスチェックなど法定義務の履行
このうち「評価・改善」で使われる代表的な指標が、プレゼンティーイズム(出勤しているが不調で本来の生産性が出せていない状態)とアブセンティーイズム(欠勤・休職)です。用語の意味と違いはプレゼンティーイズムとアブセンティーイズムとは、実際にどの尺度でどう測るかはプレゼンティーイズムの測定方法(WHO-HPQ・SPQ・WLQ-J等の比較)で扱っています。集団分析の活用はストレスチェックの集団分析もあわせてご覧ください。
注意したいのは、調査で評価されるのは主に「取り組みの体制と施策」であって、健康指標や業績の“結果”そのものではないとされる点です。数値目標を先に掲げるより、体制づくりと継続測定を積み上げるほうが現実的な準備になります。
選定企業の一覧はどこで確認するか
「健康経営銘柄の一覧を見たい」という場合、一次情報にあたるのが確実です。まとめ記事や二次情報は年度がずれていることが多く、選定社数も毎年変わります。
- 経済産業省の健康経営銘柄のページ:制度概要とあわせて、各年度の選定企業が公表されます。
- 経済産業省のプレスリリース:発表時(例年3月ごろ)に、その年度の選定企業一覧が資料として公開されます。
- ACTION!健康経営ポータル:健康経営度調査・申請に関する公式窓口で、関連情報が集約されています。
- 各企業のIR・サステナビリティ関連ページ:選定された企業は自社サイトで公表していることが多く、連続選定回数などもここで確認できます。
一覧を見る際は、「何年度の銘柄か」を必ず確認してください。年度が変われば選定企業も入れ替わります。また、選定企業がどのような数値をどう開示しているかを具体的に見たい場合は、日本企業の業界別 健康経営事例で業界別に整理しています。
「銘柄に選ばれれば業績が上がる」ではない(中立の注記)
最後に重要な注記です。健康経営銘柄に選定されたことが、業績や株価の向上を保証するものではありません。「銘柄選定企業は株価・業績が良い」という分析が紹介されることがありますが、これは相関の指摘であって因果の証明ではないと考えるのが誠実です。もともと経営体力のある企業が「健康経営にも投資でき、業績も良い」という逆の因果・交絡の可能性が常にあります。
そのため銘柄選定は、ゴールではなく「人的資本への投資姿勢を資本市場に示す手段のひとつ」と位置づけるのが妥当です。投資対効果そのものの考え方と限界は健康経営のROI(投資対効果)の考え方と限界で詳しく扱っています。自社にとって意味のある指標を決め、同じ物差しで継続測定しながら改善していく——その積み重ねの結果として選定がついてくる、という順番で考えるのが健全です。
出典・参考にした研究
- ・経済産業省:健康経営銘柄(東京証券取引所と共同選定)(制度概要・各年度の選定企業の一次情報)
- ・経済産業省:健康経営(定義・健康経営度調査・施策全体の一次情報)
- ・経済産業省:健康経営優良法人認定制度(ホワイト500・ブライト500)(銘柄と混同されやすい別制度の一次情報)
- ・ACTION!健康経営ポータル(公式)(健康経営度調査・申請日程・様式の公式窓口(最新日程はここで要確認))
- ・※選定社数・選定基準・日程について(年度ごとに見直されるため、本記事では変動しうる数値を断定せず、経済産業省の最新の公表資料での確認を前提としています。)
※本記事は効果効能を保証・断定するものではなく、公表されている研究・一次情報を中立に整理したものです。サプリメントは医薬品ではありません。体調・治療の判断は医師等の専門家にご相談ください。
よくある質問
健康経営銘柄とは何ですか?
経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する、上場企業を対象とした顕彰制度です。2015年に始まり、健康経営に優れた企業を長期的な視点の投資家に紹介することを狙いとしています。原則1業種1社という考え方で選定されるため、選定社数は数十社規模にとどまります(社数は年度で変わるため、最新は経済産業省の公表資料でご確認ください)。
健康経営銘柄とホワイト500の違いは何ですか?
別の制度です。健康経営銘柄は上場企業が対象で、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定します。ホワイト500は「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の上位500法人を指す区分で、上場・非上場を問わず、認定主体は日本健康会議です。銘柄は原則1業種1社と少数、優良法人は認定法人が数万規模という点も大きく異なります。
健康経営銘柄の一覧はどこで見られますか?
経済産業省の健康経営銘柄のページと、発表時(例年3月ごろ)のプレスリリースで各年度の選定企業が公表されます。ACTION!健康経営ポータルや、選定された各企業のIR・サステナビリティ関連ページでも確認できます。一覧を見るときは「何年度の銘柄か」を必ず確認してください。
健康経営銘柄に選ばれるには何が必要ですか?
まず経済産業省の健康経営度調査に回答することが起点になります。そのうえで、調査の評価結果に加え、財務面の要件や重大な法令違反がないことなどの条件が設けられているとされています。選定基準は年度ごとに見直されるため、その年度の選定基準を経済産業省の公表資料で直接ご確認ください。
銘柄に選ばれると業績や株価は上がりますか?
そうとは言えません。選定企業の株価・業績に関する分析が紹介されることはありますが、それは相関の指摘であって因果の証明ではありません。もともと経営体力のある企業が健康経営にも投資でき業績も良い、という逆の因果や交絡の可能性があります。選定は投資姿勢を示す手段のひとつと捉えるのが妥当です。
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